自炊の教科書

おいしいご飯の炊き方 基本とポイント

家庭料理の基本を説明していく「自炊の教科書」シリーズ。今回のテーマは日本食の基本である「ご飯」です。

日本人にとって、きってもきれない関係にある「ご飯」。毎食食べることも多いので、できればおいしい炊き立てのご飯が食べたいですよね。

この記事では炊飯器を使った一般的な方法で、おいしいご飯の炊き方について説明します。

おいしいご飯を炊くための4つのポイント

おいしいご飯を炊くためのポイントをまずは見ていきます。ポイントは4つ。

  1. お米、水は正しく計量する
  2. 炊飯前にお米の粒が割れないように心がける
  3. お米が水を吸うタイミングの作業に気を付ける
  4. 炊いた後は忘れずにほぐす

これらのポイントは、次以降の項目で細かく説明していきます。

おいしいご飯を炊くための5つの作業

ほとんどの一般家庭では炊飯器を使ってご飯を炊いていると思います。

炊飯器を使う場合、ご飯を炊くまでに主に以下の5つのことを行う必要があります。

  1. お米を計る
  2. お米を研ぐ
  3. 水を加える
  4. 炊飯器にセットして炊く
  5. 炊けたご飯をほぐす

この記事では、それぞれの工程を確認しながらおいしいご飯を炊く手順とポイントをおさえていきます。

注意

以降の説明は、精米済みの白米を炊飯器を使用して炊く方法について説明したものです。玄米、雑穀米などを使用する場合には説明がそぐわない部分がありますのでご注意ください。

お米を計る

おいしいご飯を炊くには、正しく計量することが必要です。

正しく計量することで、適切な水分量のご飯が炊きあがります。また、正しく計量していれば、次回お米を炊くときに自分の好みに合った水分量に調整することもできます。

お米を調理する際の計量は、日本酒の計り方でもおなじみの「合」という体積の単位が基本になります。

1合=180mlなので普通の計量カップで計るのはちょっと面倒。計量には炊飯器を買うと一緒についてくるお米専用の計量カップを使いましょう。計量機能付きの米びつがある場合はこの工程は飛ばしてもOKです。

もっと詳しく

計量カップがない場合は「はかり」を使って必要量を計ることもできます。1合のお米の重量はおよそ150gです。

お米を計る工程では「1.お米、水は正しく計量する」のポイントをおさえていきましょう。

それでは、手順を説明します。

step
1
計量カップですくう

  • 計量カップを米びつのなかに入れて、山盛りに米をすくいます。
  • この時、一度軽くゆすって、計量カップ内に隙間ができないようにするのがポイントです。

この時は山になっていても大丈夫。次の作業ですりきります。

step
2
すり切り計量する

  • スプーンの柄や箸などのまっすぐな棒でやさしくすり切り、余ったお米は米びつに戻します。
  • 慣れてきたらまっすぐにした指などでもOKです。

カップですりきった後の状態です。お米の間に隙間がなくみっちり入っていることを確認します。

step
3
研ぎ用の容器に入れる

  • 研ぐための容器(ボウルや炊飯器のお釜)に入れます。
  • 計量カップ1杯分が1合となりますので、必要な分だけ1~3を繰り返します。

お米を研ぐ

お米の量を計ったら、次はお米を研いでいきます。

ちなみに「研ぐ」とはどういうことか?という疑問もあるかと思いますが、現在では「研ぐ」=「洗う」という考え方でOKです。

もっと詳しく

昔は精米技術が進んでおらず、普通に洗っただけではお米の表面についている糠(米ぬか)が残ってしまい、炊きあがりの風味が落ちると言われていました。ですから、米を手のひらで押し滑らすようにこすり合わせ、表面を「研ぐ」ようにして糠の残りを取り除く必要があったのです。

しかし、現在は精米技術も進歩し、水洗いをして軽くこするだけで糠は取り除けるようになり、今までの方法での「研ぎ」の必要はなくなりました。

現在、一般的に流通しているお米(スーパーやお米屋さんで買うお米)については、力を入れて「研ぐ」とお米が割れて炊きあがりがべとつく原因にもなるので、なるべくこの研ぎ方は避けたいところです。

お米を研ぐ工程は「2.炊飯前にお米の粒が割れないように心がける」と「3.お米が水を吸うタイミングの作業に気を付ける」のポイントに気をつけながら行います。

それでは、手順を説明します。

step
1
水を入れて軽くすすぎ、すぐ水を捨てる

  • 容器に水を入れ、底から軽く2~3回かき混ぜます。すると水が白くにごります。
  • すすいだときに出る白くにごった水はすぐに捨て、しっかり水をきります。

容器に水を注いで軽くかき混ぜた状態です。水が白くにごっています。

すすいだ水をきりました。底に水がたまっていないことを確認します。

ポイント

お米はいわば「乾物」のような状態とも言えます。以下のポイントを守ると、炊き上がりの際の風味が良くなります。

  1. 最初の水はすぐに捨てる!
    • 最初に触れた水を効率よく吸うので、糠や汚れがついている最初の水はすばやく捨てる必要があります。
    • この性質を利用して最初に使う水を「浄水した水」などに変えれば、質の良い水を吸水させることができます。
    • ただし、炊き上がりが大幅によくなるというわけではないので、水が気になる方や炊き上がりにこだわりたい方は実践してみてください。

step
2
水がない状態で、混ぜながら洗う

  • 容器に水がしっかりきれている状態であることを確認します。
  • 野球やソフトボールを握るように指を立てた状態で、お米をグルグルと円を描くようにかき混ぜます。
  • 混ぜるスピードは1秒に1回転くらいで、20回程度混ぜます。
  • 回す方向は途中でかえずに一方向を保ちます。

お米をかき混ぜ終わった状態です。お米の糠が白く浮き上がって見えます。

ポイント

この方法は、かき混ぜたときの摩擦を利用してお米の表面をきれいにします。以下のポイントを意識して研ぐと失敗が減らせます。

  1. 混ぜるときはやさしく一定のリズム
    • 早くかき回したり、乱暴にかき回すとお米が割れてしまう原因になりますので、一定のスピードでやさしく混ぜるのがポイントです。
  2. 容器に水が溜まっていないことを確認する
    • 水が溜まっている状態で混ぜると、摩擦がおきずお米の表面がうまくきれいになりませんので、しっかり水がきれている状態にしましょう。

step
3
にごりが薄くなるまで水ですすぐ

  • 容器に水を注ぎ、底から軽く2~3回かき混ぜます。すると水が白くにごります。
  • すすいだときに出る白くにごった水はすぐに捨て、しっかり水をきります。
  • これを3回ほど繰り返し、にごりがなくなったら終わります。

1回目のすすぎは水を入れると真っ白に濁ります。

2回目に水を入れ軽く攪拌した状態。まだお米の粒が見えるほど透明ではありません。

3回目の水を入れた状態です。濁りが薄まり、お米の粒が見えるようになりましたので、すすぎこれでおしまいです。これ以上すすいでもにごり具合はあまりかわりません。

ポイント

すすぎ終わりは「水の濁り具合が薄れ、お米が見える」くらいの透明度が目安です。

以下のポイントを意識してすすぐと失敗が減らせます。

  1. あまり混ぜずにやさしく水を切る
    • すすぐときに混ぜすぎるとお米が割れてしまう原因になりますので、水の中でお米が舞う程度に混ぜましょう。
  2. 水は完全に透明にならなくてもOK
    • すすいだ水が少しでもにごっていると「きれいになっていないのでは?」と心配になるかもしれませんが、お米のデンプンが水に溶け出たことによってもにごります。ですから、すすいだ水が完全に透明にならなくて大丈夫です。
    • すすぎすぎはお米が割れる原因になりますので、すすぎ終わりの目安をたよりにやめるタイミングを見極めましょう。

水を加える

炊飯器の内釜にお米を入れ、水を加えて水を吸わせます。

このようにお米を水に浸した状態で水を吸わせることを「浸漬吸水(しんせききゅうすい)」といいます。

もっと詳しく

お米を炊くときに加える水の量は、お米の量に対して1.1~1.2倍を用意します。1合=180mlですので、1合分の水は200ml~220mlが目安となります。

水の量に幅があるのは、炊き上がりにお米の水分量に寄るところがあるためです。例えば、新米の場合はお米の水分量が多いので、水を少なくするとちょうどよい硬さになります。このあたりは好みで加減してみましょう。

この工程では、「1.お米、水は正しく計量する」と「3.お米が水を吸うタイミングの作業に気を付ける」のポイントに気をつけます。

それでは、手順を説明します。

step
1
お米に水を加える

  • 炊飯器を使用する場合は、内釜に目盛りがついていますので、お米を入れた状態でお米の量の目盛りまで水を注ぎます。
    • 例えば、2合炊く場合は「白米」と書いてある目盛りの「2」の線まで水を注ぎます。
    • 目盛りについては炊飯器の機種やメーカーにより表記が異なりますので、説明書の記載の通り水を注いでください。

水を内釜の目盛りにあわせて注ぎます。今回は2合炊きます。

「白米」の表示の「2」の目盛りまで水を注ぎました。横から見て丁度ぴったりの水位であることを確認します。

ポイント

お米を水に浸していると水を吸って膨らんでいきますので、以下のことに注意しましょう。

  1. きれいな水を使う
    • 「浄水した水」などに変えれば、質の良い水を吸水させることができます。

炊飯器にセットして炊く

お米と水を入れた内釜を炊飯器にセットして炊飯をスタートします。

step
1
「炊飯」スイッチを押してスタート

  • スタート方法については炊飯器の機種やメーカーにより表記が異なりますが、一般的には「炊飯」のボタンを押すとスタートします。
    • 早く炊きたい場合は、「早炊き」のモードを設定したうえで「炊飯」をスタートさせます。

「炊飯」ボタンを押せば炊飯がスタートします。しばらくすると高温の蒸気が出るので注意しましょう。

もっと詳しく

炊飯器でご飯を炊いたときの時間は?

炊飯器の機種にもよりますが以下の時間が目安です。

  • 通常モードで50~60分程度
  • 早炊きモードで30~40分程度

早炊きモードでは「吸水」と「蒸らし」の工程を短縮するので、通常モードに比べて3割程度時間短縮しています。工程の短縮により、炊き上がりは以下のような違いが出ます

  • 「吸水」が短いので、炊き上がりはかためになる
  • 「蒸らし」が短いので、表面が若干べとついた感じになる

炊けたご飯をほぐす

炊飯器でご飯が炊けるとアラームが鳴ります。一般的な炊飯器であれば「蒸らし」まで終わった状態でこのアラームが鳴りますので、炊き上がり後の蒸らし等は必要ありません。

ご飯が炊きあがったら、なるべく早くほぐします。

まめちしき

なぜご飯はほぐす必要があるのか?

ご飯の炊きあがり後すぐにほぐすのは、ご飯粒同士がくっついてが固まってしまうことを防ぐためです。

炊きあがったご飯には、表面にたくさん水分がついています。また、炊飯器で炊いた場合は自動的に保温モードになり一定温度で加熱された状態が続きます。

この状態でご飯をそのままにしておくと以下のようなことが起こります。

  1. 表面の水分がご飯の表面を柔らかくする
  2. 柔らかくなった表面が糊のようになりご飯粒同士がくっつく
  3. この状態で加熱が続くので水分が飛び、固まってしまう

炊きあがりの後にほぐすと、ご飯粒の表面の水分が飛び、粒同士の間に空気が入って接触を少なくなることで、ご飯が固くなるのを防ぐことができます。

この工程はおいしいご飯のためのポイントの最後「炊いた後は忘れずにほぐす」に関係するところです。

それでは、手順の説明です。

step
1
ご飯をほぐす

  • 炊飯器の蓋をあけ、数回十字を切るようにご飯にしゃもじを入れ、ほぐします。
  • 釜の底からすくいあげるように混ぜます。これを2~3度繰り返します。

炊飯器の蓋を開けました。おいしそうに炊けています!

何度か十字を切ります。なるべくご飯粒をつぶさないようにやさしく。

底からすくうように混ぜました。これでほぐすところまで終わりました。

ポイント

以下のポイントを意識してほぐしましょう。

  1. 切るようにほぐす
    • なるべくご飯の中で摩擦させないように切るようにほぐします。
    • 捏ねるように混ぜてしまうと、粘り気が出て食感が悪くなります。
  2. 混ぜすぎない
    • 粘り気が出て食感が悪くなるのを防ぐため、ご飯がはらりとなるくらいでやめます。

あとは、お茶碗によそって完成!

まとめ

おいしいご飯を炊くためのポイントはまとめると以下の通りでした。

  • お米、水は正しく計量する。
  • 炊飯前にお米の粒が割れないように心がける
  • お米が水を吸うタイミングの作業に気を付ける
  • 炊いた後は忘れずにほぐす

お米や水を正しく計量することで、適切な水分量のご飯が炊きあがります。また、正しく計量していれば、次回お米を炊くときに自分の好みに合った水分量に調整することもできます。

お米の粒が割れると、ご飯に粘り気がでて炊き上がりの風味も良くありません。研ぐときはやさしく研ぎましょう。

お米は大きく水を吸うタイミングが2回ありました。最初に水に触れたときと、水に浸すときです。このタイミングの水はなるべくきれいなものを用意し、糠や汚れを含んだ水が長く触れないように心がけましょう。

最後に、炊いた後にほぐす行為。これはご飯の表面の水分を調整する役割があり、ご飯粒がくっついてしまうのを防ぎます。

参考書籍

  • ご飯の炊き方を変えると人生が変わる 真崎庸
  • 世界でいちばんおいしいお米とごはんの本 澁谷梨絵
  • 日本のお米、日本のご飯 土井善晴

関連記事

-自炊の教科書
-,

© 2021 Toco's Kitchen (トコズキッチン)